東京高等裁判所 昭和28年(う)3857号 判決
被告人 山出文明
〔抄 録〕
記録を調査するに、原判決書によれば、原判決が、その認定した犯罪事実につき、被告人を懲役六月に処した上、刑法第二十一条を適用して、未決勾留日数中百二十日を右本刑に算入していることは所論のとおりであつて、記録に編綴してある勾留状・起訴状各勾留更新決定書・原審第五回公判調書(判決宣告調書)等の各記載をそう合するときは被告人に対する本件(勾留状の被疑事実は横領のみである)の勾留日数は、勾留状執行の日から原判決宣告の日までは百十二日、起訴の日から原判決宣告の日までは百三日であることが認められる。してみれば、原判決は、刑法第二十一条の適用による未決勾留日数の算入につき、その限度を超えて、算入することのできない日数を算入したものであつて、結局、右法条の適用を誤つたことに帰するものというべく、この誤解が判決に影響を及ぼすことは明らかであるから、原判決はこの点において到底破棄を免れないものというべく、論旨は理由がある。